シミの種類:炎症後色素沈着(PIH)

炎症後色素沈着というのは
何らかの炎症が起きた後に生じる跡のことです。
色は赤茶色が多いです。

具体例としては、
虫刺され、油火傷、ニキビ
美容皮膚治療など。

このページでは
美容皮膚治療が原因で炎症後色素沈着が
発生する場合を中心に解説します。

炎症後色素沈着が発生する確率

まず理解しておくことは
炎症が生じる美容治療を行うことで
必ず炎症後色素沈着が生じるわけではない
ということです。

傾向としては
肌の状態(色など)が同じであれば
治療内容がハードになればなるほど
炎症後色素沈着が生じる確率が高くなる傾向があります。
以下、いくつか具体例で紹介します。

補足情報

黄色人種(東アジア系)は炎症後色素沈着が
生じやすいといわれています。
白人は生じにくいそうです。

なお、同じ日本人でも色黒(日焼け含む)の人は
レーザーが反応しすぎてしまうので
治療内容が普通であっても
結果的にハードになってしまうことがあります。

ホクロ除去のレーザー治療

ホクロ除去のレーザー治療としては
炭酸ガスレーザーを使用する方法
色に反応するレーザーを使用する方法があります。

炎症後色素沈着が生じるかは
最終的にはホクロの状態や照射の設定などが
大きく影響するわけですが
一応、レーザーによる違いを説明しておきます。

炭酸ガスレーザーを使用する方法は
ホクロの組織を削り飛ばすので
かなりハードな治療といえます。

色に反応するレーザーの場合は
炭酸ガスレーザーよりは
ハードではないといえます。

シミ除去のレーザー治療

シミ除去のレーザー治療も
炭酸ガスレーザーと色に反応するレーザーを使用しますが
炭酸ガスレーザーは、盛り上がったシミにしか使わないので
ここでは、色に反応するレーザーを取り上げます。

色に反応するレーザーとしては
Qスイッチ・ルビーレーザー(694nm)
Qスイッチ・アレキサンドライトレーザー(755nm)
Qスイッチ・Ndヤグレーザー(1064nm)などが
シミ治療で使われています。

そして、シミ治療の場合も
シミの状態で治療がハードになるか決まります。

例えば、浅い位置にある普通のシミと
深い位置にあるシミ(例:ADM)除去を比べると
深い位置のシミの方がハードな治療になります。

従って、確率でいうなら
ADMの方が炎症後色素沈着が生じる
可能性が高くなるといえるでしょう。

シミ治療の場合に炎症後色素沈着が生じると、最初よりも一時的にシミが悪化したように見えます。
具体的にどの程度の炎症後色素沈着となるかは、以下の症例写真を参照してください。

Qルビーレーザーによるシミ治療で生じた炎症後色素沈着

なお、最近は、
シミのある部分には
Qスイッチレーザーを照射し
顔全体には、
Qヤグトーニングを照射することで
炎症後色素沈着対策を行いつつ
治療期間を短縮できる方法もあります。
(コンビネーショントーニング)

コンビネーショントーニング

シミ除去の光治療

レーザー照射に比べると
光照射はマイルドな治療になります。
これが光治療の最大の特徴・メリットです。

一般論としては
光照射治療の方がレーザー治療に比べて
炎症後色素沈着が生じる可能性は低いといえるでしょう。
(実際、低いです)

従って、光照射で取れそうなシミであれば
光治療を第一選択肢とするのが安全といえます。

フラクショナル治療

フラクショナル治療にも
ハードなものとマイルドなものがあります。

弱めに照射して肌のメンテナンスとして
肌の入れ替えを行うのであれば
ほとんど炎症後色素沈着が生じることはありません。

これに対して、ニキビ跡治療のように
強めに照射する治療では
ハードであればあるほど
炎症後色素沈着の可能性は高まります。

炎症後色素沈着を防ぐ方法

治療内容がハードになればなるほど
炎症後色素沈着が生じる可能性は高くなりますが
少しでも可能性を減らすことをしてください。

まず、術後に紫外線対策をするのは当然です。
これは絶対です。

あとは、治療内容によると思いますが
スキンケア用品での対応があります。

ハイドロキノンを使うのは有名ですが
最近はフラーレンも注目されているようです。
どのタイミングで使用していくのか
詳しいことはわかりませんが
抗酸化作用との組み合わせは面白そうです。

炎症後色素沈着が発生した場合の治療方法

基本的に、美容皮膚科治療が原因の
炎症後色素沈着は、半年ほどすれば
自然に薄くなり消えていきます。

従って、ほっとけばいいと
何もしないことを指示するドクターもいます。

ただ、何もするなというのは
無責任にも捉えられるためか
現在、一番多い対応方法としては
ハイドロキノン・トレチノインを使って
対応していく方法ですね。

そして、現在、一番注目されているのが
肝斑トーニングで使われる機種を利用した
レーザー治療になります。
実際に使用しているドクターの評判は高いですし
(早く消えるとのこと)
トレチノインのように面倒でないので
今後の中心になっていくと思われます。

今後の流れ

炎症後色素沈着を防ぐという分野は
今後、盛り上がっていくかもしれません。

炎症後色素沈着のリスクが低下すれば
治療の幅が広がります。

追加情報

日本では2011年に
フラクショナルQスイッチレーザーによる
シミ治療がスタートしています。

炎症後色素沈着を起こさずに
治療ができるのではないかと
大きく期待されています。

全国のシミ治療関連情報

シミ治療の解説一覧

上に戻る