脇汗ボトックス保険適用の問題点
2012年11月に
原発性腋窩多汗症について
保険適応となりました。
保険適応になったと聞いた時には
よく通ったなと思いましたよ。
目次
- 1:保険適応に対する考え
- 2:製造と販売
- 3:原発性腋窩多汗症とは何か
- 4:料金設定が高い
- 5:皮膚科中心となっている
- 6:本来は、重症な脇汗が前提
- 7:有働アナと脇汗
- 8:保険適応になるくらいの脇汗
- 9:悩んでいる人は受ければいい
- 10:受けるのは、ちょっと面倒
- 11:実質は、わきが対策です
保険適応に対する美容皮膚科ナビの考え
例えば、ほくろ除去や眼瞼下垂や
わきが手術などは
保険診療、自由診療のどちらも可能です。
保険適応とするかどうかは
医師の裁量なので
美容皮膚科ナビでは
基本的には何も言いません。
今回、問題だと言いたいのは
そもそも制度として
これでいいのかという話です。
医師の裁量以前の問題です。
以下、1つ1つ説明します。
製造と販売
前提知識として
製造・製品は、アラガン社のボトックスで
販売がグラクソ・スミスクライン社です。
美容で使っているボトックスビスタと
製品の内容は同じです。
そもそも原発性腋窩多汗症とは何か
腋窩(えきか)というのはワキの下です。
腋窩多汗症というのは、
ワキの多汗症をいいます。
グラクソ・スミスクライン社の公式ページを見ると
『明らかな原因が存在しないワキの多汗症を
「原発性腋窩多汗症」といいます。』とあります。
つまり、原発性というのは
ここでは、明らかな原因が存在しない
という意味で使われています。
(他の基礎疾患が原因ではない脇汗)
料金設定が高い
現在(2016.10)、3割負担で
2万8000円くらいです。
(100単位使用の場合)
自己負担なら9万円くらいです。
一方、美容治療の自由診療で
保険診療と全く同じ品質である
ボトックスビスタで打った場合
安い美容クリニックだと
4~6万円となっています。
(100単位使用の場合)
保険適応だから安く感じるだけで
実質的には9万円なわけですから
高いですよね。
自社で研究開発してきたというなら
高くなるのも分かりますが
今回使用する製品は、アラガン社のボトックスです。
今まで長く世界中で使われてきたボトックスです。
安全性については特に心配ありません。
cf:薬の値段について
2016年7月13日放送のクローズアップ現代+
皮膚科中心となっている
脇にボトックスを打つ治療は
美容外科、美容皮膚科を中心に
これまで行われてきました。
それが、保険適応になってからは
保険診療しかしてこなかった
皮膚科医を中心に行われています。
悪いとはいいませんが
皮膚科学会がガイドラインを作成しています。
でも、関係ないですよね。
今までやってきてないわけだから。
保険診療しかしてこなかった先生って
「ガイドラインに沿って治療をしています」とか
平気でHPとかに書いちゃうでしょ。
ニキビやアトピーでもそうなんだけど
自分で考えなきゃいけないことの方が
多いと思うんですが。
本来は、重症な脇汗が前提
一応、前提としては
重症の原発性腋窩多汗症にだけ
保険でボトックスが打てることになっています。
みなさんのまわりで脇汗が出すぎて
日常生活が困ってる人います?
私は、ワキガの人は、よく出会いますが
脇汗が病的な人は、ほとんどいませんね。
私の知り合いで脇汗がたくさん出る人は
背中とかにもたくさん汗が出てるから
脇だけ止めても意味ないんですよね。
よく、この病気の患者数は
何百万人いますとか発表あるでしょ。
ためしてガッテン(現ガッテン)でも
なんの疑うこともなく
そのまま信じ込んで発表してますけど
たいていは盛ってますよね。
冷静に考えれば
「そんなにいるわけないじゃん」て。
有働アナと脇汗
昔、NHK有働由美子アナの洋服が
脇汗で濡れていて話題になりましたね。
ネットで画像を拾ってきましたが
普通に考えれば、
このレベルは病気ではないですよ。
暑い時に汗が出ない方が病気です。
体温が下がらずに危険です。
でも、このレベルでも
保険適応になることが多いみたいです。
保険適応になるくらいの脇汗
上記のような有働アナの脇汗レベルでも
保険適応になることが多いようです。
一応、保険適応になる基準はありますが
厳しいものではありませんね。
最初、その基準を見た時に
ザルだよねこれ、と思いました。
本人が困ってることを訴えれば
保険適応になるなと。
実際、運用され始めた当初
多くの患者さんが来ていますと
HPに書き込んでいるクリニックがありましたが
それは、本来、自由診療で行う人を
保険でドンドン通したからでしょ。
前述のように保険適応にするかは
医師の裁量なので
基本的に批判はしないんですけどね。
料金の問題もあるわけだから
憚りながら、脇汗で困っている人は
保険で治療が出来ますくらいに書いておけば
まだ良いわけですが。
悩んでいる人は受ければいい
でもね、若い人は悩んでいるなら
どんどん受ければいいと思っています。
日本の健康保険は
高齢者が多く使ってるわけで
これから日本を背負っていく若い人が
ボトックス注射を打つことで
少しでも活躍できるなら
それもいいことなのかなと。
受けるのは、ちょっと面倒
診察した日に注射を打てないのは
かなり面倒ですよね。
取り寄せ形式です。
あと、クリニックによっては
血液検査を要求するところもあります。
ほとんど意味ないですけどね。
実質は、わきが対策です
脇汗へのボトックス注射は
美容の世界で多く行われていますが
わきが対策で利用する人は少なくありません。
皮膚科の先生は
エクリン腺とアポクリン腺は違うから
関係ないと言うかもしれませんが
実際には、わきが対策で利用されています。
エクリン腺からの汗を抑えることで
アポクリン腺からのニオイが
拡散するのを防ぐことに
つながるからかもしれません。
とにかく、保険でボトックス注射を受けたいなら
ニオイが気になるとは言わずに
汗が気になって仕方がないと
医師にアピールすることですね。
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