ボトックスビスタの解説
ボトックスビスタは
アラガン社が製造して
アラガンジャパンが販売している
ボツリヌストキシン製品になります。
ボツリヌストキシン製品は
他にもいろいろあるので
どのようなものがあるかについては
ボツリヌストキシン製品一覧を見てください。
ただ、ボツリヌス製品はいろいろありますが
一番メジャーなのはボトックスビスタなので
その他の製品については、
ボトックスビスタと比較してどうなのかが
ポイントになります。
なので、少し詳しく解説しておきます。
目次
- 1:ボトックスビスタの概要
- 2:料金について
- 3:抗体について
- 4:品質管理の方法1(冷蔵)
- 5:品質管理の方法2(使用期限)
- 6:単位数と効果
- 7:生理食塩水の量
- 8:使用する単位数
- 9:単位数と効果のまとめ
- 10:他のボツリヌス製品との効果比較
- 11:効果の拡散
- 12:厚労省の承認と安全性
ボトックスビスタの概要
現時点で(2016.10)、
一番メジャーなボツリヌス製品が
ボトックスビスタです。
アラガン社が製造しているもので
もともとボトックスとして
流通していましたが
厚労省の承認を得てからは
ボトックスビスタとして
アラガンジャパンが
販売するようになりました。
1瓶50単位です。
最初は、眉間のシワが対象でしたが
現在は、目尻のシワについても
厚労省の承認が取れています。
(保険適応ではないですよ)
料金について(仕入れ値や施術料金)
個人輸入の時よりも
料金はアップしています。
厚労省の承認取得料の上乗せみたいなもんです。
但し、他のボツリヌス製品が
安い施術料金となっているので
発売当初に比べれば、
クリニックのボトックスビスタ料金は
かなり安くなってきました。
アラガンが卸値を下げたのか
クリニックの営業努力なのかは不明です。
抗体について(複合タンパク)
抗体というのは
ようするに効果が出なくなるとか
効果が弱くなるという話です。
複合タンパクについては
昔よりは改善されたそうですが
今でもそれなりに入っているので
抗体は生じえます。
ビスタの弱点といえば弱点ですね。
ちなみに、美容業界の認識では
抗体が出来ないこともないけど
使用量や使用間隔を守れば
抗体は生じないと考えられています。
ただ、使用量の上限や
使用間隔の期間について
明確な情報が出ていないのが現状であります。
このような背景があるためか
アラガン社は、抗体の出来にくい
ゼオミンをライバル視していますね。
たぶん。。。
【補足】
グラクソ・スミスクライン社の
ボトックス製品特性のページには
抗体に関する記述があります。
品質管理の方法1(冷蔵か否か)
生理食塩水に溶かす前は
瓶の中に粉末で入っていますが
5℃以下の管理が必要とのことです。
温度管理が出来ていないと
効果が落ちてしまいます。
ボトックスビスタは
輸入しているので温度管理のリスクがありますが
アラガンジャパンが責任をもって
輸入していると思われるので
この点の心配はなくなりました。
また、クリニックへの輸送についても
温度管理されて届くそうです。
なお、生理食塩水に溶かす際にも
丁寧に扱わないと効力が落ちるそうです。
品質管理の方法2(使用期限)
正確な決まりはないと思いますが
一般には、生理食塩水で溶かしてから
2週間が使用期限と言われています。
もちろん新鮮な方がいいです。
ボトックス時代は1瓶100単位で
回転率の悪い美容クリニックでは
廃棄をしなければいけなかったり
使用期限を過ぎても使っていることがありました。
今は、1瓶50単位となり
使い切りやすくなりましたが
やはり、回転率が良くて
ボトックスで有名なところに行くのが
おすすめとなります。
単位数と効果
ややこしいところですが
一応、説明しておきます
ボツリヌス製品では
単位数で製品が表示されます。
ボトックス時代は1瓶100単位で
ボトックスビスタは1瓶50単位と表示されています。
これは瓶に入っている粉末量の値で
注射するときの注入量の値ではありません。
例えばの話ですが
ボトックスビスタの1瓶50単位を
1ccの生理食塩水で希釈して
その1ccを顔に注入した場合と
2ccの生理食塩水で希釈して
その2ccを顔に注入した場合とでは
どちらも50単位を使用したことになります。
但し、希釈する生理食塩水の量によって
その効果が違ってきます。
生理食塩水の量
それでは、どれだけの生理食塩水で
希釈するのが良いのでしょうか?
ボトックス時代の1瓶100単位の時は
通常のシワ治療であれば
2.5ccの生理食塩水で溶かしていました。
つまり、0.1ccあたり4単位となります。
ボトックスビスタは1瓶50単位なので
通常、1.25ccの生理食塩水で溶かしています。
ビスタも、0.1ccあたり4単位となります。
但し、これはあくまでも一般論で
クリニックによって微妙に違っていたりします。
シワ治療に使う場合でも
部位によって微妙に変えたり
患者さんの特性によって
微妙に変えることもありえます。
(拡散の話は後述します)
使用する単位数
同じ部位のボトックス治療でも
クリニックによって使用する単位数に
違いが生じていることがあります。
例えばの話になりますが
額のシワ治療で
Aクリニックは10単位使用して
Bクリニックは20単位使用する等。
単位数と効果のまとめ
今までの話をまとめると
受診者(患者)の立場からすると
何単位使用するのかという情報と
何ccの生理食塩水で希釈するのかという情報の
両方を教えてもらわなければ
料金比較や効果の予想が難しいことになります。
しかも、単位数と希釈の割合が一緒でも
製造上の問題や溶かし方の問題等で
同じ効果(力価)が出るとは限りません。
ボトックスビスタだけでも
ややこしいですよね。
【ポイント】
カウンセリングでこのあたりのことを
医師に詳しく聞いても迷惑だと思うので
(説明してもどうせ分かんねえだろうな~って)
部位ごとに何単位使うのかくらいを
質問するのがベターと思われます。
単位数が分かれば
原価率がどれくらいなのかの予想はできます。
クリニックによって仕入れ値が違うことがありますが
その話は無視します(笑)
他のボツリヌス製品との効果比較
問題は、他のボツリヌス製品との比較です。
他のボツリヌス製品でも単位数で表示しますが
必ずしもボトックスビスタの単位数と
その効果が一致しません。
なので、単位数あたりの効果については
一番有名なボトックスビスタと比較して
どうなのかで考えていくしかないでしょう。
効果の拡散について
単位数と効果の応用話です。
効果の拡散というのは
注射した部位の周辺まで
効果が出てしまうことを意味します。
ボトックスビスタは
元々は拡散しにくい製品です。
従って、ピンポイント治療には適します。
なお、ビスタで拡散させたい場合には
生理食塩水を多めにして薄くします。
脇汗や手のひら汗、足裏の汗など
広く効いてほしい場合には
薄めの濃度調整で対応可能です。
例えば、脇汗用に薄める場合には
仮に1瓶50単位を2ccで溶かすと
0.1ccあたり2.5単位となります。
【余談】
シワはボトックスビスタを使い
脇汗等では拡散しやすい製品を使う等して
製品を使い分けているクリニックもあります。
厚労省の承認と安全性について
無いよりは、あったほうがいいよね
というレベルの話です。
厚労省の承認があるから安全だ安全だと
必要以上に言う医師がいたら注意です。
自分に何らかの利益が生じなければ
そんなことは言いませんから。
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