ニキビ治療とアトピー治療
ニキビ治療、アトピー治療ともに
日本皮膚科学会から
その治療ガイドラインが
公表されています。
このページでは、その内容で
気になる点を比較しますが
(2013年9月確認時点の内容)
ニキビ治療を受ける前に知っておきたいことを
見ておくと少し分かりやすくなります。
ガイドラインは以下のページから
確認することが出来ます。
外部リンク:
ニキビ(尋常性ざ瘡)治療ガイドライン
外部リンク:
アトピー治療ガイドライン
アトピー治療ガイドラインの重要な記載
【治療の目標】
「(1)症状はない,あるいはあっても軽微であり,日常生活に支障がなく,薬物療法もあまり必要としない.
(2)軽微ないし軽度の症状は持続するも,急性に悪化することはまれで悪化しても遷延することはない.」
【治療方針】
「アトピー性皮膚炎は遺伝的素因も含んだ多病因性の疾患であり,疾患そのものを完治させうる薬物療法はない.よって対症療法を行うことが原則となる.」
【対症療法で目標は達成できるか?】
「患者と医師の間での信頼関係が構築され,上記の薬物療法が十分に行われれば,治療の目標を達成しうる場合が多い」
【悪化因子について】
「しかしながら,社会生活・日常生活の中で個々の患者に特有の悪化因子が存在することも多く,このような悪化因子の検索ならびに対策はきわめて重要である.」
【悪化因子検索・対策の注意点】
「アレルゲンを明らかにしえた場合でも本疾患は多因子性であり,アレルゲン除去は薬物療法の補助療法であり,これのみで完治が期待されるものではないことを認識すべきである.」
アトピー治療ガイドラインのポイント
まず、治療目標を明確に定めている点です。
次に、方針を対症療法と明確にしている点。
そして、一番のポイントは
「上記の薬物療法が十分に行われれば,
治療の目標を達成しうる場合が多い」と
記載している点です。
ニキビ治療との比較で考えるなら
ここが一番重要な点です。
その背景について
アトピー治療に関しては
民間療法も含めて
様々な情報が出ているので
医学会代表として皮膚科学会が
治療目標や治療方針を明確にする
必要性があったのだと思われます。
ニキビ治療ガイドライン
【治療の目標】
明確な治療目標の記述はありません。
【治療方針】
薬物療法について書かれている内容から
対症療法だと分かりますが
明確に対症療法だという記述はありません。
【対症療法で目標は達成できるか?】
そもそも治療目標が書かれていないので
達成できるかどうかの記述も
書かれていません。
ニキビ治療全体ではなく
アダパレン治療については、
CQ5で以下の記述があります。
「炎症性皮疹の軽快後の寛解維持には
アダパレン外用の継続を推奨する」
【ニキビ原因について】
冒頭でニキビについて
「脂質代謝異常(内分泌的因子),角化異常,細菌の増殖が複雑に関与する炎症性疾患である」と
ニキビの多因性は触れられているものの
個別には、化粧、食物、洗顔しか
記載されていません。
(CQ34、CQ35、CQ36)
ニキビ治療のガイドライン解説はこちら
コメント
美容皮膚科ナビでは
ニキビ治療とアトピー治療は
重なる部分が多いのではないかと
見ています。
アトピー治療の流れは
↓
根本治療を目指すのではなく
日常生活で困らないくらいの
肌の状態を目指す。
それは対症療法で可能。
但し、悪化因子対策は必要。
この流れは
基本的に、ニキビ治療でも
同じになると思われますが
ニキビ治療ガイドラインでは
その説明が足りないかなと。
特に、対症療法を続けていくと
ニキビが出来にくい肌になるのか
情報が少なすぎですね。
この点、アトピー治療だと
寛解に関する情報は
けっこうあります。
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