炭酸ガスレーザー
炭酸ガスレーザーは
多くのクリニックで
ホクロ除去に使われています。
このページでは、まず炭酸ガスレーザーの
概要を説明した後に
エルビウムヤグレーザーやメス切除縫合など
他のホクロ除去手段との比較を解説します。
炭酸ガスレーザーの仕組み
炭酸ガスレーザーの波長は、10600nm(10.6 μm)。
正確ではないですけど仕組みを説明します。
炭酸ガスレーザーは水に反応する特徴があります。
(ルビーレーザー等は色に反応します)
人の皮膚(ホクロも含む)には、水分が多く含まれているので
炭酸ガスレーザーを人の皮膚に当てれば
その部分に反応が起こります。
どんな反応かというと、その部分に熱が生じて
皮膚が削られるという反応(蒸散という)です。
ホクロ細胞も吹き飛びます。
炭酸ガスレーザーの得意分野
炭酸ガスレーザーは、皮膚を削るのが得意なので
皮膚の盛り上がった部分を削る治療に適します。
ホクロ治療では、
盛り上がりのあるホクロ除去に
よく使用されています。
ホクロ除去以外でも、
イボ除去や、盛り上がりのある老人性シミ除去で
使用されています。
ニキビ痕のアブレージョンで使われることもあります。
対象となるホクロ
一定の大きさ以上のホクロは
治療対象になりません。
限度はクリニックによって違いますが
5ミリ~10ミリを限度にしているところが多いです。
無理に炭酸ガスレーザーで除去すると
凹んでしまう可能性も大きくなるので
メス切除縫合の方が術後の見た目が
綺麗になるとドクターが言うなら
それに従うようにしましょう。
また、悪性の疑いがある場合には
小さなホクロでも対象にはなりません。
メス切除縫合になります。
炭酸ガスレーザーの方法
レーザーを照射していきますが
基本的に局所麻酔です。
小さくて浅ければ麻酔なしでも
いけなくもないという感じでしょうか。
エルビウムヤグレーザーとの比較
最近は、炭酸ガスレーザーと
エルビウムヤグレーザーの比較が
よく議論されています。
どちらも水分に反応するレーザーで
同じ蒸散系なので比較の対象になります。
炭酸ガスレーザーの波長:10600nm
エルビウムヤグレーザーの波長:2940nm
熱の広がりについて
炭酸ガスレーザーと
エルビウムヤグレーザーと比較して
どちらが周辺組織にダメージを
与えにくいのかという話です。
狙った皮膚組織のみを除去できれば
予想外の凹みなどは予防できます。
また、ダウンタイムも短くなります。
この点については
エルビウムヤグレーザーの方が
理論上は有利になりそうです。
また、炭化についても
エルビウムヤグレーザーの方が
理論上は有利になりそうです。
どのような理由なのかについては
詳しく解説されている先生がいます。
ほくろ除去に詳しい病院・クリニックページに取り上げているので
そこのリンクから確認してみてください。
出血防止・止血について
こちらは、炭酸ガスレーザーが有利になります。
熱の広がりが逆に有利になります。
(高周波メスでも可能)
血管組織の傷口を熱で溶かして
再び閉じるイメージか?
理論的なことはよくわかりませんが
炭酸ガスレーザーは、いろいろなところで
止血に使われています。
眼瞼下垂などの目の手術でも
出血を少なくするために
炭酸ガスレーザーで切ることがあります。
補足:
美容機器の比較を見るときには
機種による実力差があることを
予めおさえておかないと
話がかみ合わないことがあるので注意。
例えば、炭酸ガスレーザーでも
機種によって機能・性能はピンキリです。
また、新しい技術が
追加されることもありうるので
どちらが有利かというのは
ある時点での比較であることも
おさえておくべきでしょう。
病理検査
炭酸ガスレーザーでホクロ組織を
吹き飛ばしてしまうと
病理検査はできなくなります。
一応、悪性の疑いのないことを前提として
ドクターが対応してくれていると思うので
病理検査できなくても
それほど心配する必要はないと思いますが。
術後の経過
術後は、除去した部分の皮膚内部が
むき出しになっているので
その管理が大切になります。
創傷被覆材を貼り
湿潤環境を保つなどの管理です。
(1~2週間くらい)
顔の場合には創傷被覆材を貼る期間を
予めスケジュールに入れておきましょう。
マスクでカバーできる部位なら
マスクで隠せばなんとかなります。
その他、炭酸ガスレーザーは威力のあるレーザーなので
炎症後色素沈着が生じることもあります。
長いと1年くらいかな。
最終的には消えることがほとんどですが
気になるならドクターに相談してください。
ホクロ除去後の見た目
メス切除縫合は必ず切開線ができます。
目立つかどうかは別問題ですが
術者の腕に左右されやすい方法です。
これに対して、炭酸ガスレーザーは
それほど術者による差は生じません。
性能のよい機種であれば
変な設定さえしなければ
担当者による差はより小さくなります。
少しでも術後の見た目を良くしたいと思うなら
術前にドクターとよく話し合うことです。
ポイントとなるのは1回で深く削らないことです。
皮膚の凹み対策
後述する色に反応するレーザーと組み合わせて
治療をしていく方法もあります。
盛り上がった部分を炭酸ガスレーザーで
除去して平らにしてから
色に反応するレーザーを使い
少しずつホクロの色を抜いていく方法です。
この方法だと治療回数は増えます。
ホクロ再発について
ホクロは黒い部分だけがホクロ組織でなく
黒くなっていない部分にも
ホクロ組織はあるそうです。
レーザーによるホクロ除去は
基本的に黒い部分だけを除去するので
余分に除去するメス切除縫合に比べると
再発の可能性は高くなるといえます。
しかも、凹みを生じさせないように
浅く削るクリニックも増えているので
ある程度の再発も覚悟しておきましょう。
(それほど多くはないです)
再発したら再度照射すればいいと
考えておくと気分的に楽です。
くれぐれも無理に除去して
凹みが出来ないように注意しましょう。
健康保険使えるか
健康保険を使うクリニックもありますが
少数派になります。
近所のクリニックで対応している
可能性は低いですよ。
そこで、炭酸ガスレーザーでホクロ除去する場合には
基本的に保険は使えないと考えておきましょう。
自由診療の料金
自由診療だと1ミリ単位で
料金を設定しているクリニックが多いです。
1ミリ3000円~5000円が多いです。
ちなみにですが
直径をギリシャ文字の Φ で
記載しているところもあります。
直径という意味です。
次の解説ページへ
2-5.
エルビウムヤグレーザーによるホクロ除去
ほくろ除去が可能なクリニック
ほくろ除去の解説一覧
1-1.
ほくろ除去の手段による分類
2-1.
メス切除縫合によるホクロ除去
2-2.
くり抜きによるホクロ除去
2-3.
高周波メス・電気メスによるホクロ除去
2-4.
炭酸ガスレーザーによるホクロ除去
2-5.
エルビウムヤグレーザーによるホクロ除去
2-6.
色反応系レーザーによるホクロ除去
2-7.
ホクロを薄くする方法
3-1.
悪性のホクロの基準について
3-2.
ダーモスコピーとダーモスコープ
4-1.
ほくろ除去と保険適応
4-2.
保険診療料金と自由診療料金の目安
5-1.
ほくろ除去の症例写真
5-2.
ほくろ除去の症例動画
6-1.
ほくろ除去後の管理・アフターケア
6-2.
ほくろ除去に関するいろいろ